アクセス解析ソフトを利用することで、御社のホームページのアクセス数がわかるだけではなく、どのキーワードでアクセスしたお客様が購入・申込みまで結びついたのかといったことまで分析できるようになります。
ログ(コンピュータの利用状況やデータ通信の記録)を見ていくことで、一人一人の足跡、つまり、ページの遷移などもたどっていくことも可能になります。
つまり、少し大げさな表現をすると、お客様がどのような動き方をしているのか、お客様のパソコンの後ろにたってそれを観察することができるです。
これはインターネットならではの特徴です。
アクセス解析をしていなければ、ホームページを改善するときに担当者の想像で行うことになります。
「この表現が悪いんじゃないか・・」
「このページがうまくお客様に訴求できていないんじゃないか・・」
こんな具合にあくまでも推測するしかないのです。
しかし、実際には問題と思われていたページは何の問題もなく、まったく想像もしていなかったページが問題だったということはよくある話しです。
自分たちの専門分野のことは、なかなかお客様の立場にたって客観的に見ることができないため、このようなことが起こり、よい効果を出していたものまで修正されてしまうというパターンです。
そうしたときに、アクセス解析をしていれば、”数字”で明確に問題点が浮き上がり、修正すべき点が明らかになるのです。
それでは、どのようなアクセス解析サービスを導入すればよいのでしょうか。
有料のサービスであれば、月額の利用料金が非常に高額なものもありますが、まずはの導入では、無料、あるいは、格安のサービスで十分高機能なものが提供されています。
私がおすすめするのは下記の2サービスです。
■google analytics-グーグルアナリティクス-
■高機能アクセス解析 CGI Professional 版(futomi’s CGI Cafe)
google analyticsは元々1ヶ月400ドルの利用料がかかる有料ソフトでしたが、googleが買収し、2005年より無償で提供されることになったサービスです。
日本円で月額4万円近くかかるソフトですから、元々高機能なもので、さらにgoogleが機能を追加しており、有料のサービスを提供している会社泣かせのサービスです。
しかしながら、このgoogle analyticsにも弱い面があります。
それは、一人一人の足跡をたどっていくことができない点です。全体で100のアクセスがあり、次にこのページに遷移した人は60人です、といったデータはでるのですが、個人を特定して、個別に追跡することまではできません。
そこまで分析できるサービスがfutomi’s CGI Cafeさんが提供する高機能アクセス解析 CGI Professional 版です。
こちらのアクセス解析サービスも高機能に関わらず、1サイトあたり2100円(税込)で利用することができます。(月額ではなく、1回支払うのみです)
こちらのサービスでは、例えば、4月1日21:00に注文してくれたAさんはいったい、どこからアクセスしてきて、どのようにページを遷移して、そのページに何分いて、購入にいたったのかということまで見ることができます。
私も自社運営サイトにはこの2つのサービスを導入して、全体を俯瞰して分析するときはgoogle analyticsを利用して、ひとりひとりの行動パターンを分析したいときは高機能アクセス解析を利用するといった使い方をしています。
すでにこれらのサービスを利用されている方もたくさんいらっしゃると思います。
しかし、ページビューやユニークユーザー数を見ることで終わっていないでしょうか。
他にどういったところを見ればよいのか、その一例をここでご紹介したいと思います。
直帰率というキーワードがgoogle analyticsの中に出てきます。
例えば「焼酎」を買おうと思った方が検索エンジンで検索します。
大半の方が上位表示されたページを上から順番に見ていきます。
上の方にあるページはしっかりと時間をかけてページ内を見てもらえる傾向にありますが、だんだんと下の方にいくにつれて、さっとしか見てもらえなくなります。
パッと見て、「あーーこのページは大したことがなさそうだな」と、検索結果に戻ります。
これが直帰になります。
ページ内をクリックしてもう1ページ見てくれると直帰にはなりません。
ですので、直帰率が36%だとすると、100人見に来てくれて、そのうち36人がパッと見て帰ってしまっているということになります。
50%以上もあると要注意です。
せっかくユーザーを集めることができているのに、その半数が帰ってしまっているのですから。
たとえ、ページ内にそのユーザーが望んでいる情報・商品があったとしてもそれを訴求することができなければ存在に気づいてもらえず、帰られてしまう。
つまりお客さんを逃してしまっていることになります。
セミナーなどでよくこういうお話を聞くと思います。
「3秒で何を売っているか、どんな特徴があるショップなのかわかるホームページをつくらないといけません。」
つまり、クリックしてはじめに見える画面でどれだけお客さんにお店のことを興味持ってもらえるのか。
SEOで上位表示して、アクセスしてもらえた。次に勝負なのがここになるのです。
せっかく検索エンジンで1位をとって1日1,000ビューアクセスがある。でも直帰率が60%で600人ものお客さんが直帰していたとすれば、そのページは大いに改善余地があります。
ただし、ここで気をつけなければいけないことは、きちんと訴求できていないから直帰率が高いとは限らないということです。
もしかすると、アクセスを集めているキーワードが間違えている可能性もあるのです。
たとえば、焼酎の通販サイトが「焼酎」というキーワードで多数のアクセスを集めている。しかし、直帰率が50%を超えている。
もし、「焼酎」というキーワードでアクセスしている人の大半がショッピングを目的に来ているのではなく、作り方を求めて来ていたとすれば、このページの直帰率が高くなるのは当然です。
その場合は、アクセスを集めているキーワードの見直しが必用になります。
こうしたことは、そのページに来ている人がどのキーワードでアクセスしていて、どのキーワードが直帰率が高いのかを見ることで予測することが可能です。
アクセス解析で一番大切なのがコンバージョン率です。
コンバージョン率とはホームページで商品を購入したり、会員登録といったそのホームページが目的としていることに達した人の割合のことをいいます。(転換率や成約率という言い方もします。)
これを意識していないと単にページビューが増えた、減ったという見方しか出来ていないことになります。
ホームページの最終的な目的である、商品購入や会員登録を増やすためにはどこを改善すればよいのか?
それをアクセス解析で分析し、見つけ出すことになります。
どのキーワードで来ている人が購入してくれる率が高いのか、どの検索エンジンから来ている人が会員になってくれる率が高いのか、そうしたことがすべてアクセス解析を活用することで見えてくるのです。
そうすると、
もしかすると今躍起になってSEOをかけているキーワードで来てくれているお客さんはコンバージョン率がゼロかもしれません。
他にも、Yahoo!とGoogleどちらの検索エンジン対策をがんばればよいのか、または、
広告を出稿していたとしたら、そこから来るお客さんがどれだけ購入してくれているかわかりますので、広告を続ける価値はあるのかどうかといった判断にもなります。さらに、あなたが書いているブログ経由でくるお客さんのコンバージョン率が高ければ、もっとがんばってブログを書くことにより、売上げが大きく上がるかもしれません。
このように、何がどう購買につながっているか。私たちのホームページ運営の目的はコンバージョンをいかに得るかということですので、それを増やすためにアクセス解析をしなければいけないのです。
このように様々なことが分かるアクセス解析ですが、ピンポイントで改善点が見つかるわけではありません。
例えば、トップページの直帰率が50%を超えていれば、トップページは改善点があるということが分かったとします。
そして、分析した結果、キーワードは間違っていないということが分かりました。
それであれば、十分にお客さんに商品・サービスの魅力を訴求出来ていないのではないかという分析ができます。
しかし、この画像が綺麗じゃないから直帰率が高いのではとか、このキャッチコピーの表現が十分でないから反応が悪いのではということまでは直帰率だけでは分からないのです。
そこは十分に吟味し、推測して改善するしかありません。
そして、数字が改善されれば、その推測は正解であり、もし、改善されなければ、その推測は外れていたということになります。
つまり、アクセス解析で問題点を推測し、その仮説に基づいてホームページを改善し、成果を検証する。そして、さらに継続的な改善につなげていくという「PDCA」サイクルを行うことにより、問題点をひとつひとつ改善していき、じょじょにホームページをよいものにしていくことで、売上げがあがっていくという流れに持っていくことができるのです。