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ネットと実店舗を繋げる新しいマーケティングO2O

「AIDMA」と「ARASL」の比較

こんにちは。
攻めと守りのIT支援で近畿の中小企業を支える
IT活用診断士(ITコンサルタント)の中野です。

■O2Oとは?
オンラインとリアルのサービスを結ぶ新しいマーケティングとして、「O2O(Online to Offline)」が注目を集めています。O2Oとは、Webサービスからリアル店舗へ携帯電話やスマートフォンなどを利用して誘導する、もしくは両者が融合することにより購買活動などに影響を及ぼすといった意味として用いられています。
従来は「クリック&モルタル」という言葉で、ネットとリアルの融合が図られてきましたが、昨今ではスマートフォンの登場により情報の連携が図りやすくなりました。今後は決済、ポイント、クーポン、位置情報サービスなどさまざまな分野でO2Oが進んでいくことが見込まれています。
O2Oのイメージ

■なぜ今O2Oなのか?
O2Oが注目されているのには3つの理由があります。
1. スマートフォンの普及
近距離無線規格通信の「NFC」、加速度センター、GPSなどの位置情報、ARなどの技術を気軽に利用者が使えるようになったこと。
2. ソーシャルメディアへの関心の高まり
オンライン上での利用者のつながりが生まれ、知り合いの情報をベースに店舗に来店するといった行動を起こすようになったこと。
3. ビッグデータの活用
スマートフォンとソーシャルメディアの情報を活用することにより、生活者はどこに行ってもオンラインの環境を取得でき、ローカライズされた情報を入手可能になりました。この情報をマーケティングに生かすことでユーザーとの接点を深める取り組みが加速していること。
O2O普及の3要素

■新しい消費者行動「ARASL」
消費者がモノやサービスを利用するまでの消費者行動として有名な「AIDMA」。時代の流れとともに「AIDMA→AISAS→AISEAS」と消費者行動は変化してきています。そして、O2O時代の新しい消費者行動としてARASL(アラスル)へと変化を遂げてきています。
「AIDMA」と「ARASL」の比較

ARASLの具体的な行動モデルの例は以下の通りです。
認知(Attention):スマートフォンの機能にあるAR技術や位置情報サービスを活用して、ユーザーが検索を行わなくても情報が自動的に通知される。
送客(Reach):現在地から目的地まで地図連携やナビゲーションによって誘導される。
購買・利用(Action):スマートフォンの機能を活用して、決済を行いサービス・商品が消費される。
共有(Share):Facebookやtwitterなどのソーシャルメディアを活用して店舗や商品の利用情報を共有される(口コミ効果)
再利用(Loyal):ポイントやゲームの楽しみを利用した仕掛けなどにより、店舗を継続して採用される。

消費者は、肌身離さずスマートフォンを持つようになり、いつでもどこでもこれらのARASLの行動を取ることが可能になりました。また、消費者がソーシャルメディアで「共有」した情報は、さらに友人に「認知」されることでお店に訪れるといった好循環のサイクルが実現できます。
誰もが仲の良い友達からオススメの飲食店を紹介されて、実際にそのお店に出向いた経験をお持ちだと思います。今までは対面で行われていた「共有」するという行動が、スマートフォンをはじめとしたIT技術の進展によって、インターネットを介することでいつでもどこでも可能となってきています。

■O2Oの成功事例
O2Oの具体的な成功事例として有名なLAWSON(以下、ローソン)の事例をご紹介いたします。ローソンは、ソーシャルメディアFacebookのクーポン(有料)の仕組みを利用し、人気商品「からあげクン」半額券を先着30万人に配布し、友人に共有・拡散されるというFacebookの特徴をうまく活かした結果、開始たった17時間で配り終えました。実際に6万個以上の「からあげクン」が売れ、ローソンに来店した7割以上の消費者が飲み物などの他の商品も合わせて購入した結果、店頭の売上アップに成功しています。

■中小企業でもできるO2O
先に挙げたローソンの事例をはじめ、大企業を中心にO2Oが実践されていますが、中小企業でも導入できるO2Oとして「Facebook」と「LINE@」が挙げられます。Facebookは無料で利用でき、株式会社クロコスが提供している外部サービスと連携することでクーポン(無料)を発行することも可能です。まさに先に挙げたローソンの事例と同じことを無料で実現することも可能です。
また、昨年の12月から中小企業用にサービスインしたNHN Japanが運用している「LINE@」では月額5,250円でO2Oを実践するためのサービス・仕組みを利用することが可能です。LINEは国内のスマートフォンユーザーの50%以上が毎日、アプリを起動するという高いアクティブ率を誇る人気サービスであり、これまでに数百万人規模の消費者が、LINEを通じて入手した情報がきっかけで、店舗へと足を運んだと想定されています。
これらのサービスをうまく活用して今までアプローチできなかった消費者を取り込み、繋がっていくことが今後成長するための新しい戦略になると私は考えています。

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